田中秀治研究室 ~Student Page~

At the end of the stay

どうもこんにちは。博士2年の田中康基です。ドイツはケムニッツにおとといまで留学中でした。
冬のしるしが色を失いはじめ、そろそろ春の到来を予期させるような季節に…なったのでしょうか。
ケムニッツは暖冬だったため、結局のところ冬を感じたのは1週間程度でした。
Hello, I’m Koki Tanaka, D2 student, and currently in Germany.
I guess spring season was already coming in Japan.
In Chemnitz, I felt winter only 1week, because it was very worm winter in this year.

さて、ケムニッツFraunhofer ENAS研究所における私の滞在も終了し、今はベルリンで日本へのフライトを待つ日々です。
この機会に、ケムニッツでの半年間に及ぶ滞在を振り返っておきたいと思います。
Now, my stay in Chemnitz has finished.
I’m waiting for the flight to Japan in Berlin.
I’d like to turn around the half year of my stay.

初めてケムニッツに来た日は、もう9月だというのに気温が30℃以上もある暑い日でした。
汗をかきながらスーツケースを引っ張り歩き、とりあえず恒例行事のように迷子になってから寮に到着したものです。
The first day in Chemnitz, it was around 35℃ even in September.
As usual, I got lost my way.

はじめの一か月は、何といっても何もわからないような状態なので、とりあえずケムニッツで安定して、いちいち意識したりよく考えたりせずに生活できるよう、慣れる日々でした。
裏を返せば、およそどんな場所でも一か月あれば大体慣れるということです。
The first month was spent to get used to make a living in Chemnitz.
In other words, only one month was required to get used anywhere.

それは研究環境についても同じで、東北大学とENASとでは、もちろんどこだってそうですが、少なからず違う点があるわけです。
とくに、東北大学では自分の手でモノをつくる過程が重視されているのに対し、ENASでは調査や計画にこそ重点が置かれ、自分の手でつくることはほとんどありません。
自分でつくることに対して幾分無用なこだわりすら持っていた私にとって、ENASのやり方に慣れるのには、それはまた生活と同様に時間を要したものです。
It was also same to the researching.
There were some different points between ENAS and Tohoku University.
In Tohoku University, experiences of manufacturing process were more important.
On the other hand, investigation and planning were more important in ENAS.
I was particular about making by myself, so I needed long time to get used to ENAS researching.

論文調査や実験計画は遅々として進まず、自分がどの方角に向かって歩んでいるかもよくわからない状況でした。
そういった意味で、ようやく目が見え始めたのはすでに3か月程度が経過したころだったでしょうか。
折しも、故障していた装置群が一斉に稼働し始め、研究活動にもようやく進展が見えてきました。
Initially, I could not make sufficiently progress in searching papers and planning experiments.
I could get used these works after 2 month later.
Then, broken tools were also started working, so my research was started progressing well.

同時に、ドイツでの交通利用や、人とのやり取りに余裕が生まれたのもこの頃で、近隣への旅行を楽しみました。
ケムニッツ工科大学の学生証を持っていれば、ザクセン州内の市間連絡鉄道は無料になるので、州内の日帰り旅行がとくにお気に入りでした。
大規模な都市は多くありませんが、歴史深い街が多く、どこへ行っても一つは情緒あふれるエピソード、建造物があったものです。
I also got used to transportation and communicating in Germany then.
A student card of TU Chemnitz is also working as a train free pass in Saxony, so I enjoyed trips on Saxony cities.
Saxony has many historical places, so every city has at least one of historical building and emotional episodes.

そうこうしているうちに、滞在期間は終盤を迎え、少なくとも計画している実験をすべて終わらせることができるように、平時以上の緊張感を持って研究に取り組みました。
夜になればENASは閉館してしまうので、より多く実験をこなそうと思えば、早起きする必要が生じます。
忙しくなるほど早起きするというのは、日本にいた頃とは異なる、そして実に良い習慣であったように思います。
Near the end of the stay, I worked harder to finish all experiment.
ENAS was closed at 8:30 pm, so I waked up earlier when I had many works to do.
This habit was a good point compared to the habit when I was in Japan.

その感覚のまま、日が昇る前に早起きして旅行に行ったこともありましたが、お店が一つも開いておりませんでした。
冷静に考えれば当たり前です。ENASは6時半から開いていますが、お店は9時ないしは10時からです。
景色は良かった。
One day, based on this habit, I waked up and went to sightseeing before dawn, but every shop was closed.
Of course, it was.
I enjoyed the view.

そうしていま、滞在を終え、かようにベルリンで記事の作成にいそしんでいるわけです。
振り返ってみれば、何よりもまず、多くの至らなかった点が想起されます。
挙げればきりがありませんが、研究で失敗したこと、訪れることができなかった場所など…。
Now, I’m writing this article.
If I looked back, there are many many flaws, such as mistakes in the research and places I could not be visited…

それでも、確かに得たものはあるだろうし、その中のいくつかは、おそらく日本でずっと過ごしていては手に入らなかったのかもしれないのです。
少なくとも、私はそう感じていますし、それだけで、ぜひこうした留学の経験を持つことを、心からおすすめすることができます。
However, surely I got good experiences, and it might not be obtained without this stay.
At least, I can feel some changes in my mind, and I can recommend having an experience of going abroad.

加えて、東北大学で、すなわち同じ場所で3年半を過ごしてきた私にとっては、非常に良いリフレッシュにもなりました。
いくらか視野狭窄に陥っていた自分を、今ではいかにもドイツ風な高い塔から見下ろしている気分です。
Additionally, the stay made me refreshing.
I was bored staying the same place.

といったところで最後にしたいと思いますが、田中(秀)研究室からENAS研究所に留学を考えている方、しかしそれでも不安が決断を躊躇させている方、ご安心ください。
金子君と私とでケムニッツ留学マニュアルをこしらえました。
面倒な役所での手続きから、ENASのルール、ザクセン州の見どころまで、我々の経験が行き届く限りのすべてを網羅しています。
これで留学も超余裕です。
I and Kaneko-kun prepared the manual for living in Chemnitz, but currently Japanese only.
Some formalities, living information and good spot for sightseeing are explained.
I hope it makes stays easier not only for visitors, but also for stuffs in ENAS.

最後までご高覧ありがとうございました。
さようなら。
Thank you for your time.
See you again.

nightViewFromENAS
ENASオフィスからの眺め
こんなに暗くなるまでオフィスに残っていることはそうそうない
Night view from the office in ENAS
Normally no one stayed such late time

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田中(秀)研究室における研究

読者の皆様、こんにちは。

 学士・修士研究の審査も終わりが近づき、卒業シーズンが近づいてきました。一方、学部2年生にとっては、これから配属研究室を決めなければならない重要なシーズンかと思います。そこで今回は、田中(秀)研究室における研究の進め方について簡単に紹介します。

 田中(秀)研究室の共通テーマは「MEMS(メムス)」です。
MEMSとは、Micro Electro Mechanical Systemsの略で、簡単に言えば電気で動くとても小さなデバイスです。身近な例として、スマートフォンやゲーム機の加速度センサ、スマートフォンのマイクロフォンなどがあります。MEMSは機械、電気、光、熱、材料など、さまざまな分野を融合し、半導体微細加工技術により製作されます。自動車、通信、ロボティクス、バイオ、医療福祉、インフラ保全、エネルギーなど、アプリケーションも多岐にわたっています。現在ホットな話題である自動運転技術やInternet of Things (IoT)、人工知能やディープラーニングの実用化においてもMEMS技術によるセンサは不可欠であり、盛んに研究開発されています。田中(秀)研究室では、最先端のMEMSの試作開発や、そのための装置開発、材料開発、さらにMEMSを使用したシステム開発など、多彩な研究を行っています。

田中秀治先生による研究内容の解説
http://www.mems.mech.tohoku.ac.jp/research/

 そのため、学生ひとりひとりの研究テーマも多種多様であるのが特徴です。同学年であっても、お互いの研究内容は全く異なります。研究室は研究分野ごとにグループ分けされており、すべての学生は研究テーマが決まった段階で、どこかのグループに所属することになります。
2015年度現在、田中(秀)研究室には次の6つのグループに分かれています。

 A. 触覚センサ・システム集積化グループ (室山准教授)

 B. パッケージング・実装プロセスグループ (平野助教)

 C. 圧電材料・デバイスグループ (吉田特任准教授)

 D. 弾性波デバイスグループ (門田特任教授)

 E. 熱・光デバイス・バイオセンサグループ (塚本助教)

 F. Fraunhofer ENASプロジェクトグループ (Froemel准教授)




基本的には、各グループ長の先生方と研究を進めていきます。研究を進める上で困ったときには、まずはグループ長の先生に相談します。
では1つのグループに所属すると、他のグループとは疎遠になってしまうのでしょうか…?


…答えは、ノーです。

理由その1 相談会・談話会
 田中(秀)研究室では、田中秀治教授を交えた研究進捗報告会を定期的に行っています。相談会、談話会の2つの報告会があります。相談会は毎月約2回で、複数グループが合同で行います。相談会では研究の進捗状況の他に、発見したこと、議論したいこと、あるいは問題点などを報告します。各グループ長の先生方は毎回出席されるので、様々なアドバイスを受けることができます。
談話会は年3~4回で、研究室全員の前で発表します。談話会での発表は国際学会を想定しており、発表時間40分、質疑応答20分と決められています。プレゼン資料や発表、質疑応答は基本的に英語で行います。慣れないうちは英語の発表原稿も頑張って用意している学生もいます。質疑応答では、違うグループの研究者や学生からも質問やコメントがきます。また、談話会は研究背景、目的、実験内容、結果、考察、まとめ、といった研究発表の一連の流れの練習や、わかりやすいプレゼン資料を作成する練習にもなります。

理由その2 教えあう風習
 MEMSデバイスは様々なプロセスを経て完成します。作製するためにはどのような工程を経ればよいのか、どの材料が良さそうか、どの装置を使うのか、と超えるべきハードルが多く存在します。最短の解決方法は「知っている、あるいはやったことのある人に聞く」です。というわけで困ったらグループ関係なしに経験者に聞いてしまいます。
また、MEMSの研究には実に多くの装置を使用します。初めて使用する際は装置担当者(学生・スタッフ)からオペレーショントレーニングを受けるのがルールとなっています。

理由その3 オープンな間取り
 さらに、田中研究室は共同棟の1階113号室のみで構成されています。すべての学生・グループリーダーの先生方は同じ部屋にいるため、気軽に相談することができます。研究以外にもおしゃべりすることもよくあります。
また、教授室もドアはNormally open となっています。相談があるときは気兼ねせずに入っていけます。



 研究で成果が得られれば、学会発表、論文投稿の機会が与えられます。
「研究は学会発表・論文投稿を経て世間に認められる」(田中秀治先生)
学生の研究の目標は、学会発表・論文投稿にあります。発表に向けた論文・プレゼン準備や、大勢の専門家の前での発表、そして他の研究者とのディスカッションは自分にとってとても大きな経験になります。田中(秀)研究室では、これまでに多くの学生が学会で発表しています。

学生ブログ 学会発表体験記
http://biodevice.blog.fc2.com/blog-category-1.html

 卒業研究では1年、修士研究では2年、博士研究では3年、研究を行います。学士は最終研究発表(2月)と卒業論文提出(3月)が、修士は中間審査(12月)、論文提出(1月)、本審査、論文修正(2月)が卒業のために必要です。論文をまとめる時期にあわてて実験することのないよう、計画的に研究したいものです。研究室内部で進学する学生の中には、卒業研究、修士研究の内容を、修士研究あるいは博士研究でより発展させていく学生もいます。



 以上、田中(秀)研究室における研究の進め方を大まかに紹介しました。
最後に、これから配属先研究室を選ぶ学生へのメッセージとして、田中秀治先生が毎年研究室学生に向けて行うレクチャーの一部を引用させていただきたいと思います。

 学部・修士の学生にとって大切なのは、1年あるいは2年の研究を通して研究の進め方を身につけることである。ここでいう研究の進め方とは、緻密に計画して、大胆に実行し、論理正しくまとめるにはどうすればよいかということであり、研究以外でも応用がきく。
 もうひとつ大切なことは、1つの研究をやり遂げたという自信を身につけることである。日本の大学教育では、研究以外で学生に知的・体力的負荷をかけることはほとんどないので、研究をテキトウに済ませて卒業、修了して社会に出ると、競争の激しい仕事の負荷に耐えられない。体力と知的体力とを両方、身につけてほしい。



次回は田中(秀)研究室のInternationalな面を紹介したいと思います。
ありがとうございました。

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